その発疹の病状は梅毒かも?
梅毒が増えている?
近年日本では、若い男性だけではなくて20歳代を中心とした女性の中でも梅毒が流行しています。
このように、梅毒は決して過去の病気ではなくて、若い世代に流行している身近な性感染症といえるのです。
また性感染症をそのまま放置していることは、重篤化や感染の拡大・まん延に繋がってしまう可能性があります。
その為、もしかしたら性感染症かもしれないと気になる時は、保健所や医療機関を受診して早期発見・早期治療を行うことが大事です。
ただ、梅毒は病状の経過において全く自覚症状がないことが多くて、感染していないと間違った判断をしてしまうこともあります。
梅毒に感染すると約1~3ヶ月程度してから、感染した部位に小さなしこりや潰瘍ができるのです。
しかし、痛みや痒みといった病状を伴わないことが多いですし、治療しなくても自然に改善しまうために見逃されてしまう可能性があります。
それから梅毒が感染する部位は性器だけではなくて、オーラルセックスにより咽頭部に感染したり、アナルセックスで直腸に感染したりすることもあるのです。
このように性器以外に感染した時も本人が感染に気付くことが少ないため、本人の自覚がないまま梅毒を他の人へと広めてしまうことがあります。
発疹を見逃さない
梅毒の初期症状が消えて約4~10週間程度経過すると、全身に発疹がでることがあって、手のひらや足の裏にも発疹がでやすいという特徴があるのです。
ただ、この発疹という病状も初期症状と同様に、治療しなくても数週間~数ヶ月で自然に軽快してしまいます。
しかし、こうした病状のない時期でも病気は静かに進行していて、梅毒を治療しないまま放置していると、数年~数十年という長い期間の中で悪化し重い症状をもたらす可能性があるのです。
具体的には、脳障害による認知症のような症状や、脊髄病変による手足の麻痺、心臓や血管の病気などがあります。
また梅毒により失明するなど非常に重篤な状態となることもあるのです。
それから妊婦が梅毒に感染してしまうと、流産や死産の原因になったり、先天梅毒の赤ちゃんが生まれたりすることもあります。
小さなしこりや潰瘍、発疹といった病状を見逃さないで早期診断すれば、病院の外来通院で治療できますが、気付かずに病気が進行してしまうと入院して治療することが必要です。
ですから、梅毒は早期に診断して早期に治療することが大事と認識して、病院や診療所・保健所などで検査を受けましょう。